◆コンビ二業界に於けるディスラプション①
:テクノロジーの進化
◇AIを活用した事例1:Amazon Gohttps://psmag.com/news/the-downside-to-amazon-go-stores
https://www.cnet.com/pictures/photos-inside-amazon-go-store-no-cashiers-seattle/11/
シアトルを拠点にするネット通販の大手Amazonが、世界初、最も進化したショッピングテクノロジー「Just walk out technology」(コンピュータービジョン、センサー融合、人工知能の革命と呼ばれる深層学習や自動運転車に使用されているテクノロジーを使用)を導入したレジ無し、ライン無し、ショッピングカートやかご無しのスーパーマーケット「Amazon GO」をシアトルのダウンタウンにオープンした事は記憶に新しい。
利用者はショップ入り口に設置されたゲートを通る際に、Amazon Goのアプリをタップし、専用のバーコードを表示。そのバーコードをゲートにかざしスキャンして入店し、その後は欲しい商品を棚からとり、ショッピングバッグに入れるだけ。Amazonのテクノロジーが利用者が手に取る商品を瞬時に追跡し、アプリ上のバーチャルカートに追加する。また、一度手にとった商品を棚にもどす場合も、自動的にバーチャルカートから商品を取り除いてくれる。センサーやカメラなどの情報を通じてAIで認識し決済する仕組みとなっている為、買い物が終了したらそのまま店内をでるだけ。支払いの請求はAmazon.comのアカウントにチャージされるという非常に便利なシステム。
店内にはお惣菜(新鮮な朝食、ランチ、ディナー)、スナック、ベイクドグッズ、パン、チーズ、ミルクからアルチザンフード、Amazonが手がけるミールキット「Amazon Meal Kits」等も展開。
◇AIを活用した事例2:Zippin
https://venturebeat.com/2018/08/20/zippin-opens-cashierless-store-in-san-francisco/
https://csnews.com/zippin-opens-san-francisco-concept-store-showcasing-new-frictionless-shopping-technology
Amazon Goの対抗馬として登場したのが、サンフランシスコのベイエリアを拠点にするスタートアップZippin (https://www.getzippin.com/)。AmazonやSRIでキャリアを積んだ業界のベテランKrishna Motukuriとそのチームによって設立されたZippinは、AIとセンサーを活用したCheckout-Freeテクノロジープラットフォームを使用。まず、①ZippinアプリをApple AppストアまたはGoogle Payからダウンロードする。②アプリ内にあるQRコードを開き、ショップ入り口に設置されたゲートにQRコードをかざして店内に入る。③欲しいものを手にとり自前のバッグにいれてショップをあとにするだけ。購入した商品のレシートはアプリ上で閲覧可能。店内に設置された非常に高レベルの正確度を持つカメラとスマートセンサーを活用して商品や買い物客の動きを追跡することで、ストア内に於いて、レジ無し、ライン無し、ショッピングカート及びかご無しというシームレスなベストなショッピング体験を可能にした。
現在は小さな試験店としてサンフランシスコのSOMAにオープンしているが、今後数ヶ月以内にAIを搭載したフルサイズのコンビ二として始動するという。
◆コンビ二業界に於けるディスラプション②
:ミレニアルズが起こした消費者革命
米国農務省の調査によると、ミレニアルズは他世代に比べ、コンビ二に出向く回数も少なく、また出費額も少ない。更に、コンビ二での取り扱い商品に於いても、サステーナブルなフードシステムや原材料調達から生産・販売に至るまでの透明性の開示と、健康的で新鮮な食品を求める動きが顕著だ。このような一連のミレニアルズの嗜好や購買動向は、従来のコンビ二のあり方そのものに打撃を与え、彼らのニーズに答えるべく、ヘルスやウェルネスに特化した商品を展開する、新しい形態のコンビ二が登場した。◇Bridges General
110 Greene St, New York, NY 10012
https://www.bridgesgeneral.com/
https://www.bridgesgeneral.com/locations/
https://www.bridgesgeneral.com/home-1/
現在、米国で勢いに乗って拡大を遂げているのが、キュレートされたマイクロストア、現代版ニューススタンドとも言われている新形態のコンビ二「Bridges General」。Bridges Generalは、Omakase, Taco Dumbo, Bluestone Lane, Randolph Beerを展開する投資・マネージメント会社Retail Worx(https://www.retailworx.com/)の傘下。
現在、NYとSFに7店舗を展開し、年内中には20店舗、2020年までに100-300店舗を国内のレジデンシャルビル、ホテル、病院、クルーズ船、オフィスビルディング内にオープンする予定だ。現在はその多くが商業ビル内に位置し、日用必需品、パーソナルケア、ビューティープロダクツ、トラベルアクセサリー、テックアクセサリー、コーヒー他、GMOs、ケミカルや添加物のを含まないウェルネス・ヘルススナックや飲料水を展開。従来のダイエットスナップルやチートス等のジャンク商品はまず見られない。代わりにHu Kitchen(https://hukitchen.com/)のチョコレート、Dirty Lemon collagen(https://dirtylemon.com/collagen)ドリンク、Rise Brewingのnitro coffee(https://risebrewingco.com/)のBears Fruits(https://www.bearsfruit.com/)のコンブチャ等、ヘルシーなチョイスを求める現代の消費者向けにキュレートされた商品が並ぶ。必需品に於いてもオーガニックブランドEO Products(https://www.eoproducts.com/)のデオドラントワイプやハンドサニタイザー、米国最古のアポセカリーC.O. Bigelowのリップバームやフレグランス他、Proraso(https://proraso.com/en/) のシェービング商品、Marvis(https://www.marvismint.com/)の歯磨き粉、Monq(https://monq.com/) のヴェポライザー、Smarty Pants(https://smartypantsvitamins.com/)のビタミン剤他、商品の15%はローカル産のブランドを扱いローカルブランドにオマージュを捧げている。商品カテゴリーは15から成り、価格帯は$2-$35。
◇Foxtrot
1019 W Lake St, Chicago, IL 60654
https://foxtrotco.com/
https://www.curbed.com/2018/3/19/17139216/convenience-store-foxtrot-startup-chicago-retail
https://www.builtinchicago.org/company/foxtrot
Mike LaVitola氏によって2015年にシカゴを拠点に設立されたアップスケールなスモールチェーンのコンビ二。LaVitola氏はビジネススクール在学中に、”ローカル“に着眼し、新しいリテールビジネスのスタートアップアイディアとして、既存のコーナーストアに従来のコンビ二にはない顧客体験を付加価値としてつけ、ヘルシー、ナチュラル、ローカル産、アルチザン商品を代替として展開する新形態のコンビ二アを思いついた。その後、長年温めていた構想が2015年に実現化し、ホスピタリティ要素とコーヒーショップのような雰囲気を併せ持つ新コンビ二Foxtrotが誕生した。
現在はシカゴ内のトレンディーなエリアに4店舗を展開。最近、600万ドルのシリーズA資金調達に成功し、今年中に新たに3-4店舗をシカゴにオープン予定だという。
今後も都市部を中心に新形態のコンビ二ラッシュが続きそうだ。