「テクノロジー」と「ローカルな体験」が2018年のトラベルのキーワードであった。旅行好きで体験を大切にするミレニアル世代の台頭、進化し続けるシェアリングエコノミーがもたらす競争によって、急速に変化する顧客のニーズに応えられるよう、今、ホテル業界は様々な方法で変化を遂げている。 2018年、ニューヨークでも多くのホテルが開業したが、その中でも話題性のある人気のホテル事例と、今後オープンする話題のホテルをご紹介させて頂きます。


複数のレストランとバーをホテル内に併設した
The Freehand New York
■The Freehand Hotel New York

https://freehandhotels.com/new-york/
23 Lexington Avenue, New York, NY 10010
The Freehand Hotel New Yorkhttp://www.travelcolorfully.com/checking-freehand-hotel-tonight/ https://freehandhotels.com/new-york/
https://www.cntraveler.com/story/the-freehand-new-york-makes-it-way-easier-to-visit-the-city-with-friends

2018年1月、フラットアイアン地区に開業した「The Freehand Hotel New York」は、1928年創業の歴史を誇り、多くの著名な作家、音楽家、芸術家が定宿とした旧George Washington Hotelを改築。親会社は、NoMad Hotel (https://www.thenomadhotel.com/), The Line Hotel ( https://www.thelinehotel.com/), The Ned Hotel (https://www.thened.com/)をポートフォリオに持つSydell Group(https://www.sydellgroup.com)。
内装は、NYを拠点に、2002年Robin StandeferとStephen Alesch夫妻が設立したデザインスタジオ「Roman and Williams」(http://www.romanandwilliams.com/)
が手がけた。彼らは、米国内の数々のスタイリッシュなホテル(The Highline Hotel, Viceroy Hotel, The Ace Hotel, The Standard, The Freehand LA, MIAMI, CHICAGO他)、レストラン(Le Coucou, The Upland, The Lafayette, The Dutch他) 、リテールスペース(Cole Haan, Goop Popup等)、ホームやプロダクトデザイン等のプロジェクトに携わる、今最も勢いのあるデザインスタジオのひとつ。
ミレニアル世代をターゲットに、トレンディーな仕事場、そして賑やかなソーシャライジングの場にもなる空間を提供するThe Freehand Hotel New Yorkは、滞在する度に様々な新しい体験をしたいと考える利用者のニーズを満たすために、5つのレストランやバーをホテル内に併設した。これは、新しいホテルトレンドの最新事例のひとつである「複数のレストランとバーのコンセプト」を見事に体言した言える。

https://guestofaguest.com/new-york/nightlife/miami-tiki-bar-broken-shaker-is-officially-open-in-nyc
https://guestofaguest.com/new-york/nyc-hotels/freehand-the-buzziest-new-hotel-in-new-york
https://www.artandculturemaven.com/2018/01/nyc-hotel-buzz-2018-freehand-new-york.html

ホテル1階に併設されたメインバー・レストラン「Simon & The Whale」は、著名なレストラン経営者Gabriel Stulman氏によって運営されている「Happy Cooking Hospitality」が手がけている。同グループは、他にもJoseph Leonard, Jeffrey’s Grocery, Fedora, FairfaxやBar Sardineといった人気店をNY市内に展開。2階の「Studio」は、Sydell GroupとStulman氏とのコラボによって誕生した、北アフリカ料理に影響されたメニューが好評で、朝食から夜食まで気軽に楽しるレストラン・カフェ。観葉植物が至るところに置かれ、エアリーで居心の良い空間には、ラップトップで仕事をしている人々を多く目にする。ホテル中2階には、George Washington Hotel時代のライブラリールームを改装した「George Washington Bar」がある。修復されたマホガニー製の家具や暖炉が配置され、暖かく寛いだ雰囲気のバーでは、洗練されたカクテルと厳選された軽食メニューを楽しめる。その他にも、ホテルのルーフトップには、フロリダ州マイアミビーチを拠点に27のレストランを展開し、20年以上飲食業界のプロとして名を馳せるBar LabのElad ZviとGabriel Ortaの両氏が手がける「Broken Shaker」が併設。NY市内のビューを堪能しながら、ミクソロジストによる斬新なカクテルを楽しむことができる。また、ノーホー地区で人気のカフェThe Smileのテイクアウト専用アウトポスト「Smile To Go」も1階に店舗を出店。宿泊時に、レストランやバーで時間を過ごすことの多い、ミレニアル世代の利用者にとっては、宿泊する部屋のアメニティよりも、ホテル内の飲食施設の充実度の方が重要のようだ。
ホテルの部屋の種類は、Artist(11平米),Cozy(17平米), Queen(20平米), Bunk(21平米)、Studio(22平米), Triple(26平米),Big Bunk(27平米), Three’s Company(23平米), King(23平米), Big King(30平米), Corner King(35平米), Gallery Suite(60平米),George Washington Suite(60平米)とバラエティーに富んでいる。価格帯は時期にもよるが、最も小さな部屋のタイプArtist Roomで$141から。

チプリアーニ兄弟が手がけるラグジュアリーホテルがNYにオープン
■Mr. C Seaport

33 Peck Slip Street, New York, NY
https://mrcseaport.com/
https://www.telegraph.co.uk/travel/destinations/north-america/united-states/new-york/hotels/mr-c-seaport-hotel/

ベニスにある著名なイタリアンレストラン「Harry’s Bar」を筆頭に、世界中にレストラン、ホテルを展開するチプリアーニ家が手がける、ラグジュアリーホテル「Mr. C Seaport」が、2018年7月、マンハッタンのファイナンシャル地区に隣接するサウスストリートシーポート地区に待望のオープンを遂げた。同ホテルは、NYを拠点に、厳しい審査をクリアしたホテルのみが加盟できる世界的なホテル協会「The Leading Hotels of the World」(https://www.lhw.com/)に加盟し、現在は、4代目のMaggioとIgnazio Cipriani兄弟がホテル運営に携わっている。
66部屋のうち10室がパラノラマバルコニーのあるプレミアムスイート、11タイプの部屋から成る「Mr. C Seaport」は、客室もNYのホテルの基準よりも若干広めのレイアウトが特徴。Cipriani家の由緒ある豊かな伝統と、モダンな新しさが共存した快適でエレガントな空間になっている。
1階にはMr. C Seaportのシグ二チャーダイニングコンセプトのイタリアンレストラン「Bellini」がある。広くはないものの、エレガントで快適なダイニング空間では終日食事がとれ、シーフードやレストランで作られたハウスメイドのパスタを堪能できる。客室の価格は$240~から。

<今後オープン予定>
Ace Hotelが手がける新しい“Affordable Luxury”ホテル
■Sister City NYC

225 Bowery, New York, NY
https://sistercitynyc.com/
https://www.usatoday.com/story/travel/roadwarriorvoices/2018/01/26/popular-ace-hotels-open-new-brand-sister-city/1068245001/

ヒップスターホスピタリティー会社Ace Hotel Groupは、2019年3月1日に新しいスピンオフホテルブランド「Sister City」をローワーイーストサイドのバワリー地区にオープン予定。同建物は、数年前までSalvation Armyとして使用されてきた築100年以上経つビルを改築、拡張。
“less, but better. “をコンセプトに掲げるSister Cityは、効率、接続性や価格帯を重視する次世代向けホテル。予算は限られているが、良いデザインのホテルに滞在したいと考える出張者や、滞在時にはホテルの部屋で過ごすよりも、お洒落なパブリックスペースで過ごしたいと考えている旅行者に、余分なスペースやアメニティを削ぎ落としたなミニマルでコンパクトな部屋を提供する。
200室から成る客室は、Single(12平米), Queen, Corner, Bunk, King, Terraceの6タイプ。全ての客室にはバスルーム、ベッド、窓、テレビ、Bluetooth Speakerとカスタムバスプロダクツが完備されている。客室の価格は$199から~。
1階のグラウンドフロアには、賞受賞シェフJoseph Ogrodnek氏が手がけるレストラン・バー「Floret」が併設。地中海、東南アジア、北アフリカ、オーストラリア、カリフォルニアのフレーバーからインスピレーションを得た季節毎のメニューが楽しめる。

アップスケールジムEquinoxが手がける初のヘルス・ウェルネスに特化したラグジュアリーホテル
■Equinox Hotel

35 Hudson Yards, New York, NY
https://equinox-hotels.com/
NYを拠点に、国内では、コネチカット、ニュージャージー、サウスキャロライナ、ノースキャロライナ、テキサス、ボストン、シカゴ、ミシガン、マイアミ、サンフランシスコ、ワシントンD.C.に、国外ではトロント、ロンドンに展開するアップスケールジムチェーン「Equinox」が、ウェルネスに特化した同ブランド初のラグジュアリーホテル「Equinox Hotel」を多種多様なレジデンシャル、リテール、オフィスビル等から成る新しい複合施設Hudson Yards内に6月オープン予定。Hudson Yardsは、マンハッタン西側の10thアベニューから12thアベニュー、30丁目から34丁目のエリアに位置。Hudson Yards開発は、米国で最も大きなプライベート不動産開発で、ロックフェラー以後、NYで最も大きな不動産開発事業となる。
Equinox Hotel内には、最大級のEquinox Fitness Club, フィットネスクラブ内に併設されるエリート会員向けクラブ(年会費おおよそ288万円)のE Club by Equinox, 顧客の健康とパフォーマンス向上の手助けをするワールドクラススパ、アウトドアテラスとヘルシーで美味しいメニューを提供するレストランが併設。フィットネスやハイパフォーマンスリビングへの需要が衰えることのない昨今、国内、国外を問わずEquinoxブランドへの需要は記録的なレベルに達しているという。Equinoxが同ジムの会員を対象に行った調査によると、回答者の95%がEquinox Hotelを利用したいと興味を示し、出張先や旅行先でも、ウェルネスやヘルスに対する日頃の習慣を妥協することなく、健康のルーティーンを維持することの大切さを実感しているという回答を得た。

2020年に開業する都市型リゾートAman New York
■Aman New York

The Crown Building, 730 5th Ave, New York, NY
https://www.aman.com/resorts/aman-new-york
マンハッタンの中心、西57丁目と5番街の交差点に佇む歴史的ビルCrown Building内に、2014年にオープンした「Aman Tokyo」に続く都市型リゾート「Aman New York」が2020年に開業する。1921年に建てられたCrown Buildingは、マンハッタンを代表する建築物で、米国に於いて最も賃貸料の高いリテール・オフィススペースの一つとして知られている。
Aman New Yorkは、83の客室とスイート(全て70平米以上)、上階には20棟のレジデンス、最上階5階部分にはペントハウスが佇む。また、7-9階の3フロアに渡る広大なアマン・スパ他、イタリアンレストランArva, 日本食レストランNama, ピアノバー、ワインバー、ワインライブラリー、ジャズバー、セントラルパークを臨むガーデンテラスが併設予定。都会に於いてアマンならではの静謐な時間を過ごすことのできる空間を提供されることだろう。


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