新型コロナウィルスの感染者が大幅に減少し、この10月25日からは、飲食業の営業時間短縮と酒類提供制限がおよそ1年ぶりに解除され、11月からは、大規模イベントの人数制限についても1万人の上限が撤廃された。新型コロナウィルス感染拡大前のようにすべてが無制限に戻ったわけではないが、日常は取り戻されつつある。久々に人々のこころにも安堵の顔が見え始めている。
一方、100%出社、50%出社、原則テレワークなど、出社や通勤に関しては、企業によって分かれている。出社時間や外部のワーキングスペースの利用、出張、商談、会食の対応なども、対応が異なっている。働き方に関しては、日常が取り戻せてないのではなく、この状態がニューノーマルだと認識する方が妥当だろう。コロナが収束したとしても、テレワークやオンライン会議は併用されることが予測され、過去のように全員出社で、国内外への出張も頻繁に行われるといった状況には戻らないだろう。
政府では、大規模イベントに関しては完全な制限解除に向けて、「実証実験」を行っている。これと同じように、様々なビジネスの「実証実験」には絶好のタイミングだと言えないだろうか。
ニューノーマルのスタート時期であり、多くの生活者が「ニューノーマルの練習」を行う今、様々なシミュレーションやPDCA(※)を行うには絶好の機会だと考える。ランチはどのような売れ行きになるのか?通勤服はどのくらい売れるのか?アフター5の人出はどうか?会社帰りに買い物をしてくれるのか?生活はどのようなメリハリになるのか?ストレスをどのように解消するのか?
その結果をいち早く検証することができれば、今後のビジネスに大いに活かせるだろう。早く、昔のような通勤や働き方がもどらないかなぁなんて待つよりも、大きな成果が得られるに違いない。
(※)Plan → Do → Check →Actの4段階を繰り返し業務を継続的に改善する方法。
著者情報
第1ディビジョン マーケティング開発第1グループ 小売業やメーカー向け戦略策定、商業デベロッパー向けの戦略・コンセプト策定・ディレクションなどが主な業務。時代を独自に読み解く視点で執筆・講演も行なう。同社ホームページにて「太田の目」を連載中。オリジナル調査「Key Consumer Indicators by ifs」のディレクターも務める。1963 年生まれの「ハナコ世代」。あいみょんの大ファン。
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