男性の身だしなみといえば、今までは髪型や服装などの見た目を清潔に保つことを指してきたように思いますが、近年では”美容男子”という言葉が定着するほど、髪型や服装だけではなく、男性の身だしなみにおけるケアレベルが上がってきたように思います。例えば、私たちLINE世代のような若者男性の間では、見た目の美しさやその美しさの維持を求めて、肌ケアや脱毛、シェイプアップのためにエステに通う人もいるほどだと聞きます。そこで今回はエステサロンで実際に施術を体験し、人気の背景を探ってきました。
今回体験してきたのは、メンズ専門のエステを全国展開している大手サロンの超音波毛穴ケアフェイシャルコースです。30分間のカウンセリングと超音波などを使った65分間の施術で、毛穴の開き・黒ずみを改善し肌に潤いをもたらすものでした。私は今まで肌荒れやヒゲのお手入れには無頓着で、洗顔は石鹸でざっと行う程度だったのでエステに対して懐疑的な部分もありましたが、最初にカウンセリングを受けると、肌の仕組みや現在の自分の肌状態、そしてケアについて事細かく教えてくださり、肌という繊細な部分を安心してお任せできるという印象を受けました。そして、カウンセリングの中では、ここ3年ほどで学生から20代前半のお客様の割合が高くなって来ているということもお話されていました。その話を聞き、このような若いLINE・LINE下世代(26~18歳)が金額のハードルを超えてエステに通い、自身の見た目を磨くことへの高いモチベーションの裏には、どのような理由があるのか非常に興味が湧いてきました。
1番の大きな理由として考えられるのは、人との関わり方の変化があるのではないでしょうか。我々世代のコミュニケーションツールは、SNSがデフォルトです。実際に友人とオフラインで対面しているときでも、いつ撮影されるかわからないという状況にある上、画面(SNS)上では24時間絶え間なく、他人に自身の近況・容姿等を知らないうちに見られている懸念や不安を抱えています。そのため、常に自身の外見を清潔かつキレイに保ち、人に不快な印象を与えずに自分の対外的評価を下げたくないという気持ちが働き、美へのモチベーションが高まったのではないかと考えられます。もちろん、自分を簡単に発信することができるため「チャンスを掴みたい」というポジティブな考えから、常にベストな自分でいようとする側面もあるとは思います。しかし、LINE世代は周囲から浮くことを嫌う特徴を持っているため、今の状態を飾り立てて”プラス”をしていくことよりも、”マイナス”にならないようにしたい意識の方が強いように思います。“美容男子”や”身だしなみにおけるケアレベルのアップ”というトレンドからはほど遠い私でしたが、今回のエステ体験から、他人に不快な気持ちを与えずに体外的評価を仕事・学校生活・プライベートでも損なわないようにしたいというLINE・LINE下世代男性は思っていた以上に多く、これからのスタンダードになっていくだろうということを強く感じてきました。
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