フェスやライブのような音楽イベントは、LINE世代を中心としたコト消費の象徴として、不特定多数の人と一体感を得る場=コミュニティの場として不可欠な存在となっています。とくに最近では、カジュアルな音楽イベントが目立つようになってきています。例えば、飲食店のような場所で身近な場で集まって行われるもの、アパレルショップや古着屋が”音楽+洋服“をテーマに主催するものといったように、音楽+αで楽しむ空間が増え、そこに集まる人の参加意識もフェスやライブに求めるようなものとはまた少し変わってきているように思います。 今回は、ハナコジュニア世代(1987~1991年生まれ)の先輩と手軽に音楽を楽しめるカジュアルバーを訪れ、そこに集う人たちの楽しみ方や、世代間の違いなどを探ってきました。
今回私が訪れたのは、渋谷の一角の飲食バーで開催されたカジュアルな音楽イベントです。SNSで友人がフォローしているイベントで興味を持ったのがきっかけですが、フェスとは異なり、事前に友人と予定を調整してチケットを購入する必要もなく、ふらっと気楽に行くことができます。このバーでは様々なイベントが行われていますが、各イベントの主催者側の人を介した集客が中心となっているため、イベントごとに訪れる人々の雰囲気やコミュニティが毎回異なるそうです。
実際、バーに足を踏み入れたときに感じたのは、その場のできあがった雰囲気に少々疎外感すら感じました。
しかし、数分経つと偶然にも、私と先輩双方に共通する知人も来ており、私はその知人を通じてすぐに周囲に馴染むことができました。主催者を介した集客は、結局のところ、似通った嗜好を持つ人が集まるため、その場で共通項を見出しやすく新たな人と繋がるキッカケになりやすいのだと実感しました。「知り合いの知り合いは、みな知り合い」のような感覚で、フォローしている共通のSNSコミュニティの話題で盛り上がったり、その界隈のコミュニティ事情の近況をアップデートするような会話に発展したり、私は様々な人の間をホッピングするように情報収集の場として楽しみました。一方の先輩は、知人との会話が弾み楽しく過ごせたようでしたが、もし知人がいなかったら楽しめていたかはわからないと言っていました。先輩は普段、イベントに行く時は、誰と何時から誰のDJを聴きに行くなどの目的を持ち、前もってモチベーションやテンションを高めるなど心の準備をしてから参加することが多いそうで、実は過ごし方の密度のようなものを重視していたことがわかり、自分との違いに改めて気付かされました。
私たちライン世代は、SNSを通して形成されたラフなコミュニティの中で、自分の目的や気分に応じて身軽に情報収集を行い、消費行動を共にします。そのため、自分の感覚にフィットするコミュニティを増やすことやそれを広げていくことに楽しみを見出しています。また、関係性もカジュアルなため、当日の誘いであってもその時のノリで足を運んでみたり、逆に気分が乗らなければ当日に断ったりしても構わないような感覚も持ち合わせています。
今回体験したようなイベントは、このような特性をもったLINE世代が変に気負わずに参加でき、共通項を持った人達が集うリアルなコミュニケーションの場として、今後、ますます増えていくのではないかと感じました。
ライン世代の“ゆるい繋がり“
(先輩からのコメント)
行く前は緊張しており、少し気合を入れる感じで臨みましたが、いざその場に行くと思っていたよりも気楽に過ごすことができました。LINE世代は、自分と近い世代でありながら、コミュニティに対する感覚は結構ちがうものだと実感しました。今回のようなイベント1つとってもご飯を食べに行くことやバーに飲みに行くのと同じような感覚で気軽に、さらっとした参加の仕方が新鮮でした。
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