社会貢献に徹底した企業姿勢②:Cotopaxi & Tentree

前回のレポートでは、社会貢献に徹底した企業姿勢第一弾として、サステナブルな企業を牽引する老舗アウトドアウェアブランドPatagoniaについてレポートさせて頂きました。今回は、社会貢献に徹底した企業姿勢第二弾として、今ミレニアル世代から絶大な支持を得ているサステナブルなアウトドアブランド「Cotopaxi 」とアパレルブランド「Tentree」についてレポートさせて頂きます。


■Cotopaxi:
ミレニアル世代から絶大な支持を得ている
アウトドアブランド

https://www.cotopaxi.com/
ミレニアル世代から絶大な支持を得ているアウトドアブランドがある。2013年、ユタ州ソルトレークシティを拠点にdirect-to consumer形態をとる振興アウトドアギア・アパレルブランドのCotopaxiだ。「Gear for Good」をミッションに掲げ、高品質でサステナブルなアウトドア関連商品を通して、貧困に苦しむ人々を助けることを企業理念としている。”Giving”が企業活動のコアであるCotopaxiは、年間売上高の1%をCotopaxi Foundationを通じて、貧困撲滅、教育支援、難民支援に関わる非営利団体のパートナーに寄付。
Cotopaxiがこのようなビジョンを掲げる背景には、創立者でCEOのDavis Smith氏が、幼少期に過ごした南米で自分より小さい子供達が裸で物乞いをしている光景に衝撃を受け、将来的にビジネスを通して貧困問題を解決することを自身のライフミッションにしたいと決意した経緯がある。また、自身も幼少の頃から大のアドベンチャー好きで、アウトドアをこよなく愛していたSmith氏は、最新のテクノロジーを駆使した、ミレニアル世代の価値観に寄り添った次世代のアウトドアブランドを立ち上げたいと強く願っていた。

「ストーリーと体験」の提供:体験や経験に価値を置くミレニアルズへの訴求

https://thedyrt.com/magazine/local/camping-at-questival-cotopaxi-the-ultimate-guide/
https://www.snewsnet.com/press-release/cotopaxi-questival-hits-salt-lake-city-for-24-hours-of-adventure
Cotopaxiがスポンサーを務める24時間体験型のアドベンチャーレース「Questival」(QuestとFestivalをかけた)は、冒険・探検好きな仲間とチームになって、やってみたかったことにチャレンジする24時間アドベンチャーレースだ。Questivalのプロモーションイベントの告知の際には、ブランドのロゴにもなっているラマを連れて、米国各地の大学キャンパスを回った。2014年初回のQuestivalにはミレニアル世代を中心に4000人以の学生やサポータが参加した。
Questivalに参加するには、まず2~6人のチームを編成しアプリをダウンロードする。レース前日、当日のチャレンジリストをダウンロードし、チャレンジリストの中からチームで何をしたいかを選択する。当日は24時間でチャレンジをこなし、その様子をアプリに投稿する。チャレンジ達成後、各チームの投稿がそのパフォーマンスを基準に審査され、最高で$6000ドルの賞金が与えられるという。Questivalへの参加=Cotopaxiブランドを体験すること。Questivalでの仲間との忘れられない体験や経験がCotopaxiへのブランドロイヤリティを高めてくれる。

二つとして同じカラーパターンが存在しないユニークなDel Dia Collection

Cotopaxiの製品は、機能性を重視しながらも遊び心が垣間見られるカラーパターンが特徴だ。同社は、製品が作られる工場の労働環境や労働者の能力向上にも目を向け、フェアトレードを実践。例えば、Del Diaの商品ラインは、提携しているフィリピンの工場で大手アウトドアブランドの製造過程で出た余り布、糸、ジッパーやバックルを再利用している。デザインは、スタッフの自立を促すために、本国からの指示ではなく、工場のスタッフの裁量に任せられ、二つとして同じカラーパターンが存在しないユニークなコレクションに仕上がっている。

B Corporation認定企業

Cotopaxiは、創業当時の2013年に「Benefit Corporation」を、2015年に「B Corporation」を早々に取得。当初は、“スタートアップ企業が経済的な利益より、「社会貢献」を前面に打ち出すと投資家がつきにくくなる、認定取得は待った方が良い”と周りから言われていたが、ミレニアル世代を中心とする若年層の消費者に訴求できるブランドであること、そして最終的な決め手となったのがBenefit CorporationとB Corporation認定を取得しているブランドであることが、投資家と消費者の信用を得ることに繋がり、同認定を取得したスタートアップ企業でありながら、ベンチャーキャピタル等から異例の950万ドルの資金を得た。現在までに、7回の資金調達を経て合計2210万ドルの資金調達に成功している。

■Ten Tree:
地球上で最も環境的に進んだブランドを目指す

https://www.tentree.com/
カナダ サスカチェワン州レジャイナで、2012年に設立されたサステナブルでエココンシャスなアパレルブランド。オーナーのKalen EmsleyとDavid Lubaは、アパレルブランド設立前から植林に関わってきた人物で、エココンシャスで社会貢献に注力するToms(https://www.toms.com/)が掲げる企業理念(Toms製品の購入の度に、必要な人々にシューズ、視力回復治療、安全な水の提供を行なっている)にインスピレーションを受け、商品の購入の毎に「10本の木を植える」という斬新なアイディアを打ち出したサステナブルなアパレルブランド「tentree international」を設立した。
Tentreeの製品は、95%以上をサステナブルな素材(オーガニックコットン、ヘンプ、リサイクルポリエステル、テンセル)を使用して作られており、スウェット、フーディー、セーター、シャツ、レギンスを始め、ベーシックなスタイルが大半だが、その着心地の良さや商品の作りには定評がある。また、サステナブル、どこにでも着ていかれる、そして、リーズナブルな価格帯も人気の理由の一つだ。

2030年までに10億本の植林を目標に掲げる

同社は、2030年までに10億本の植林を目標に掲げ、植林を通して環境保全に注力するだけでなく、持続可能な地域経済の設計を目指しコミュニティの再構築に注力しているB Corporation認定企業である。実際に、ネパール、マダガスカル、セネガルやインドネシアに於いては、植林に地元住民を雇用し、植林の重要性や将来の森林伐採を阻止する方法について教育し、その土地の環境問題の改善及び、地元の人々の生活水準の向上にも尽力している。

「DOUBLE TAP TO PLANT A TREE」インスタグラムで植林をよびかける

https://medium.com/gen-z-meditations/insta-charity-f12611f5282d
また、Tentreeは、2019年4月22日、インスタグラムに「DOUBLE TAP TO PLANT A TREE」“「いいね」5Mにつき500K(50万本)の木を、「いいね」20Mにつき1M(100万本)の木を植える”という植林を呼びかけるサステナブルな投稿をし、瞬く間に1570万以上の「いいね」を獲得した。
Tentreeは、edenprojects.org(https://edenprojects.org/), Trees for the future(https://trees.org/), One Tree Planted (https://onetreeplanted.org/)他、非営利団体とパートナーシップを組み、植林及びナチュラルエコシステムの再生を行っている。

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