今回のテーマはテクノロジーとトレンドの関係について。移り変わりの激しいテック系サービスを振り返り、ファッション業界との比較を問います。
--------------------------
ファッション業界は、“トレンド”という計画的な陳腐化の仕組みで、消費者の購買意欲を掻き立てている。
そのために、シーズンが終了すると大量の在庫が生まれ、さらに、翌年になると、消費者は、流行遅れの服を廃棄し、また、新しいものを購買したりする。この“賞味期限”の短さが、地球環境に影響を与えていると問題視されている。
最近、これと同じようなことが、テック系サービスの分野でも起きているのではないかと感じる。例えば、「メタバース」。フェイスブック社が社名をMetaに変更し、2022年の流行語大賞にもノミネートされた。これからの時代は、メタバースが世界を席巻し、あらゆるものがメタバース上で消費されるといわれた。
わずか1年の間に、メタバースを活用したビジネスどころか、メタバースという言葉さえ、懐かしい響きになってしまっている。Meta社に恨みがあるわけではないが、鳴り物入りで登場した「Threads」も、『ああ、何かそんなのあったよね。』みたいな状態になっている。
その前の年には、音声特化型SNSが注目を集め、意識高い系の人たちは、『これからは、文字中心のSNSなんて古いよね。』なんて言っていたし、『君たち、仮想通貨やってないの?信じられない。』なんていう人もいた。NFTだって、“オワコン”と揶揄する人もいる。
ファッション以上に、テック系サービスの賞味期限が短くなっている。
ファッションは、使い捨てという“罪”だけではなく、“トレンド”が機能することで、様々な素材の風合いや服のデザインというものが開発され続け、ファッション産業として発展を遂げたという“功”の部分もある。きっと、このような流行遅れになってしまったテック系サービスたちも、きっと将来、役に立ってくれるのだろう。
『ChatGPTの流行って、いつまで続きますか?』って、「ChatGPT」に聞いてみたい。